夢工房
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第二のコレクション、「タイニ・グリーン」を兼ねてデザイナーのオフェリー・ジェラールさんとのコラボレーションで木のトレー「KATU」(カテュ)シリーズを作りました。
彼女はベルギー、ブリュッセルをベースに、自然に囲まれながら生活をしている。敢えてゆっくりしたライフスタイルを選び、自分の手で丁寧にオブジェを作りたい思いを大切にしながらデザインの道を歩んでいる。
オフェリーの思いや夢について語って頂きました。
- 温もりはどのような時に感じられますか?
家や自分のアトリエのドアを開けて、入った瞬間。
プライベートな空間にいることは、私にとって完全な平和。自分自身といれて、落ち着いていて、安全に感じて、本当に安心する場所。自分の悩み事や、仕事の嫌なこと、悪い天気まで、全て外に置いておけるような気持ちになれるのが最高!
家というものは、自分の好きなものを集めたり、自分の匂いをどんどん残したりしながら、ゆっくりと作り上げていく大切な場所だと思う。
- オフェリーさんのデザインアプローチはどのようなものですか?
私のデザインはとても合理的ですが、そこに少し詩的なひねりを加えるのが好き。人のための機能的なオブジェもデザインするし、子供のおもちゃもデザインする。どちらの場合も、遊び心が重要だと思う。
私自身、自分のことを情熱と夢に突き動かされる、シンプルな人だとも思っているからね。
- ベッドの横にある小さな模型について話してくれますか?
これは6歳の頃からの私の夢。
小さい頃からハウス・アトリエというコンセプトに憧れていて、いつか自分で建てることを夢見ていた。そんな中、つい最近小さな古屋が建っている土地の一部を手に入れる機会を得た。私は建築家ではありませんが、そこに見えるアトリエを設計してみて、この模型を作りました。毎週末、少しずつ自分で、あるいは友達と一緒に改装している。ベッドの横に模型を置いておくことで、夢を目にしながら毎日頑張ろうと思える。
理想を言えば、完成した暁には、そこで手で作れるもののマイクロファクトリーを開いて近所を通りかかった人が、職人を訪ねるように中に入ってくる。本でもいいし、オブジェでもいいし、ドローイングでもいい。なんでも自分の手で作れるものを作成する場所として、「La Fabrique à rêves」(夢工場)と名付けるつもり。
- 木というマテリアルを使い始めたきっかけはなんですか?
小さい頃から手を動かすのが好きだった。動かして、作るということがと本当に好きで。木は、扱いやすいもので、身近にある素材だから、最もアクセスしやすいマテリアル。自然に使い始めて、今に至っている気がする。木の不思議で素敵なところは、ごくシンプルな操作で素材がオブジェにと、命が吹き込まれるように感じる。
- どのように未来を見ていますか?
最近、この業界での自分の居場所を感じれるようになった。他のデザイナーがやっていることや主なデザインシーンを追いかけるのではなく、自分が好きで信じているものを作ることに喜びを感じることに集中し始めた。それで十分だと最近は思えるようになった。
私の未来はアトリエハウスで、ヤギやニワトリに囲まれて、自分の手で何かを作っている自分が見える。
KATU(カテュ)は木のトレーシリーズ。
表面には繊細な溝が施され、いくつかの色が現れたり、消えたり。
KATUは、道路の敷石の間に潜む苔や小さな生き物からインスピレーションしたもの。
誰も気に留めない場所に存在する小さな命の美しさに気付けることで、より毎日が貴重に感じれる。
食卓に、デスクに、サイドテーブルに、KATUトレーはあなたの小さな大切なものを美しくディスプレイしてくれます。
KATUは全てベルギーで手作りされています。
テキスト、写真:エリザ・デフォッセ・菊地