私は音楽に囲まれて育った。
母はピアニスト、父はアコースティック・エンジニアで、日常にはいつも何かしらの音が流れていた思い出がある。
そんな環境にいながら、意外にも「音楽そのもの」を聞いていたというよりか、「音」や、もっと曖昧で抽象的な音の空気感の方が、私の中にはっきりと残っている。
それは、小さい頃から両親に「音」自身を聴くことを教わったからかもしれない。この音はフォルテ?ピアノ?聞いていると笑いたくなる?それとも悲しく感じる? そんなふうに、音を通して感情や想像を膨らませていくようになった。
私も幼い頃からピアノを習っていたが、自分は演奏するよりも「聴くこと」の方が向いていると、早い段階で気づいていた。 それでも、音楽を通して得た感覚は、今の自分に深く根付いていると感じている。
音と同じように、色もまたトーンやニュアンス、強さを持つ抽象的な要素。 それらを組み合わせることで、一つの「構成(コンポジション)」が生まれ、そこから新しい物語が紡がれる。
今の私は、音と色の両方がデザインにおいて欠かせないツールだと感じている。 日々の暮らしが慌ただしく、不確かに感じられる今だからこそ、音や色の持つ抽象性は、静かに自分自身と向き合うきっかけを与えてくれると思う。それらは、私たち一人ひとりの解釈にゆだねられ、感情や記憶、身体の感覚とそっとつながりなおす時間を届けてくれる。
そんな感覚をみなさんと共有したくて、ヌクの静かであたたかな空気感を映し出すプレイリストを作りました。
どうぞ、「色を聴く」ような気持ちでこのプレイリストをお楽しみください。
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